東青山


〇 米を研ぐ、炊く、蒸らす

2011. 11. 9 [虎の巻]
 

石田紀佳企画の米を炊く虎の巻、立花英久バーナーブロス スペース

二、飯炊きの手順

 始めちょろちょろ 中ぱっぱ じゅうじゅうふいたら火を引いて 赤子泣いてもふたとるな

 江戸時代、鉄の羽釜が普及したころにできたのではないか、といわれるこの歌は、飯を炊く極意とされてきました。竈に羽釜をかけてから薪をくべていくので、おのずと最初は弱火、だんだん強火になり、薪を引いたあとも、何があっても蓋をとらずによく蒸らす......。「はじめチョロチョロ」というのは熱の上昇をゆっくりするための火加減ともいわれます。近年の研究では、米は鍋の中の温度が「40〜60℃の間に甘味を出す」ことがわかっています。だから沸騰までに10分くらいかけるとおいしいご飯になるのです。そして「中ぱっぱ」で「沸騰を保ちデンプンをやわらかくし、水に溶け出たデンプンの粘りが米の表面にもどりついて」、ふっくらと粘りのある仕上がりになります。さらに火を止めてからの蒸らしによって、「まだ残っている水が飯粒に吸収され、熱に強い酵素も働いて一段とふくらみと甘味を増す」のです。90℃以上の温度を保つためには何が何でも「蓋とるな」、というわけです。
 加熱時に起きる米の化学的変化は複雑でもありますが、厚手の土鍋を使うと火力調整の必要がありません。強火ではじめても沸騰するまでに適度な時間がかかり、「はじめチョロチョロ」が自動的に行われます。火を止めてからも蓄熱によって高温が維持されます。きちんとつくられた土鍋なら竈で炊いたようなご飯の味になります。
 以下、厚手の土鍋を使って、白米を炊きあげる方法を三つの手順に分けて説明します。おいしいご飯を炊くためには加熱だけでなくその前後も大切です。

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